バンダイ 復刻版1/55バルキリーより3種類
今回は自分の「オモチャ道」のルーツのひとつである、通称「可変バルキリー」を3種類ほど。このタイミングで載せた理由は…察してくれとだけ。
勢い余って画像多めになってしまったので、とりあえず縮小画像も込みにしておきます。
いわゆる「可変バルキリー」は、1982年に『超時空要塞マクロス』の主力商品としてタカトクトイスより発売。F14に似た、架空ながら現実味を帯びたデザインの戦闘機がロボットに「変形」し、特に新しい要素として手足の生えた戦闘機「ガウォーク」は、後の諸作品に数々の亜流を生み出すほどの影響を与えました。『マクロス』の掲載権を持っていなかった*1講談社のコミックボンボンにも、可変バルキリーの紹介記事が掲載されたことから、この商品がいかに衝撃的だったかがよく解ります。
また、『超時空世紀オーガス』『超時空騎団サザンクロス』の「超時空シリーズ」にガウォークは踏襲され、バルキリーの基本コンセプト「3段変形」も『マクロス』各作品にも継承。VF-1バルキリーは、『機動戦士ガンダム』のRX-78-2ガンダム、『装甲騎兵ボトムズ』のATM-09STスコープドッグと並ぶ、リアルロボットアニメの「名機」として記憶されています。
タカトクトイスのバルキリーはミリオンセラーを達成し、このヒットを機に同社は「可変メカシリーズ」を展開。惜しくもタカトクトイスは映画『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』公開を控えた1984年夏に倒産し、製造元のマツシロ*2からのOEMという形でバンダイが「ハイメタル ストライクバルキリー」をはじめ、劇場版バルキリー各種を発売。同時期に『TRANSFORMERS』として「VF-1S スーパーバルキリー」が海外輸出され、このヴァージョンには、大まかに「マツシロ刻印版」「バンダイ刻印版」のバリエーションが存在。
1990年のTVシリーズ再放送時にも、バンダイは一部の金型紛失が原因でマイナーチェンジを行なった形で「VF-1S スーパーバルキリー」を再版。その後、オリジナルの金型が失われたため、2001〜2002年と、『マクロスF』放送後の2008年に「オリジン・オブ・バルキリー」として発売された復刻版は新規金型として登場しました。口上が長くなりましたが、今回載せるのはこれら復刻版の一部です。
VF-1Jバルキリー 一条輝専用タイプ
(以下、パッケージ画像は省略)
主人公・一条輝がTVシリーズ前半に搭乗した機体。復刻シリーズ第1弾として発売。2001年からの復刻版は、全身のマーキングがタンポ印刷で再現されており、肩などの一部がシール処理。今回掲載分は、全てシール未貼付。
・ファイター形態
戦闘機形態。高速移動時に用いられる。
スイッチを押すと機体下部のランディングギアが展開。小気味いいギミックでしたが、合金製なため、指に当たると痛い。'90年版は改修され、手で引き出すように。おかげで旧タカトクのアーマードパックが装着できないという事態が。
キャノピー下のマーキングは"PILOT H.ICHIJOE"。
・ガウォーク形態
設定上、開発中に発見されたという「中間形態」。先に書いたとおり、当時この特異なデザインが話題を呼びました。
・バトロイド形態
いわゆる人型。劇中、ロイ・フォッカーの台詞から「ゼントラーディ人への対抗手段」として造られたことが仄めかされています。
各関節可動。単純な軸可動ですが、当時これだけ動く変形ロボット玩具は珍しかったのです。他、『ダイアクロン』のバトルコンボイ*3が比較的フレキシブルな可動が可能だったくらい。
ガンポッドは付属のアタッチメントで腕に装着可能。ミサイル発射ギミックの関係か、ガンポッドの伸縮は再現されず。
ガンポッドのミサイル。ランナーに5発がモールド。
VF-1バルキリーの難関である、足の移動ギミック。設定ではバトロイド変形時にアームで移動させ、そのアームが本体に戻るというムチャさ。この設定を完全再現した製品は今日まで存在せず、各社色んな解釈でアームを処理しています。1/55バルキリーでは、ダイキャスト製アームを採用。やや外観を損ねながらも、当時としては頑張った方でした。
VF-1J輝機のシール。
VF-1Aバルキリー 量産機
2002年発売。一般兵が搭乗するタイプ。色・頭部形状が異なる。他の仕様はVF-1J輝機とほぼ同じなので、変更点以外は詳細略。
・ファイター形態
キャノピー下のマーキングは"PILOT LIUET.K.WARMAKER"。アニメ本編にこの名前のキャラは存在せず。機首には地球統合軍のマークも。
・ガウォーク形態
・バトロイド形態
VF-1Aの頭部を再現。VF-1Sなどにも言えますが、「後付け」なためファイター時はフィットしていません。
「VF-1Sロイ・フォッカースペシャル」より付属した、交換用の「キャノピーカバー」(手前)。VF-1バルキリーの難関のひとつ、キャノピーカバーを差し替えで再現。
キャノピー剥き出しの状態(左)と、キャノピーカバーを使った画像(右)。どちらを選ぶかはユーザー次第。初版の雰囲気を楽しみたければ、キャノピーはそのままで。
VF-1Aのシール。
オリジン・オブ・バルキリー VF-1Aスーパーバルキリー(マクシリアン・ジーナス機)
2008年発売。『愛・おぼえていますか』の前半に登場した、マックス機を製品化。1/55バルキリーでは初の商品化となりました。他、輝のVF-1Aもスーパーパック同梱で発売。
・ファイター形態
スーパーパックも、復刻版の新金型を使用。復刻版バルキリーは前腕の形状が初版(&'90年版)と微妙に異なるため、腕パーツはそれにアジャストした形に。
キャノピー下のマーキングは"PILOT M.JENIUS"
・ガウォーク形態
手首を引き出すには、一旦腕パーツを外す必要アリ。
・バトロイド形態
スーパーバルキリーのバトロイド。アーマードとは別の意味で魅力的。
VF-1Aマックス機のシール。
余談
復刻版バルキリーが発売された時期に、香港(だったかな?)で製造された、バルキリー専用キャノピーカバー。昔、知人との共同購入という形で入手。
1985年発売のVF-1A輝機や、1990年のスーパーバルキリーに付属したカバーと形状が酷似し、アニメ設定どおりのモールドが。旧タカトク・バンダイの1/55可変バルキリーに対応。
実際に装着した状態。色が合っていないので違和感が。
最後に、スーパーバルキリーVF-1J輝機。劇中、スーパーパック登場以前に輝のVF-1Jは大破し、輝は死んだフォッカーのVF-1Sに乗り継いだため、設定上「ありえない」のですが、アリイや海洋堂などが製品化しているので、ちょっと印象的な組み合わせ。
一応、TF版バルキリー(JETFIRE)も持ってるんだけど、変色が著しい&本体のみ&所在不明なので掲載は見送りました。
余談の余談/初めて『トランスフォーマー』が正式に日本の雑誌メディアに載ったのは、意外にもバンダイ「模型情報」1984年10月号。「トランス フォーマーズを知ってますか?」という見出しで、ストライクバルキリーと一緒に載っています。